第 8 回研究大会企画セッション

■企画セッション

*11月10日(金)、11日(土)通しての大会ご参加は、学会ウェブサイトの参加登録ページからお申し込みください。

デジタルコンテンツ×人材養成×大学コンソーシアム石川>> リーフレット
1. デジタルコンテンツ活用のために必要な人材をどう育てるか-石川県を事例として

デジタルコンテンツ活用においては、デジタルアーキビストやデータサイエンティストなど多様な分野の専門家の関与が必要である。ここでは、人材養成・活用検討委員会の成果を基に人材の育成と活用について議論する。さらに、大学コンソーシアム石川を人材育成の一例として取り上げ、その活動による地域社会発展への寄与可能性、学生及び社会人の再教育も考慮しつつ検討する。

開催日時 11月10日(金)15:40~17:40
開催場所 石川県立図書館 だんだん広場
運営責任者 高田良宏  金沢大学、ほか
登壇 (モデレータ:井上透)
・基調報告:井上透[デジタルアーカイブ] (岐阜女子大 教授(人材養成・活用検討委員会委員長))
・ポジショントーク:
飯島泰裕[情報社会論] (青山学院大学 教授)
宮田一乘[デジタル映像処理] (北陸先端科学技術大学院大学 教授)
下川雄一[建築情報] (金沢工業大学 教授)
堀井洋 [情報システム] (合同会社 ANAME 代表社員)

デジタルアーカイブ憲章×政策×振興法制
2. デジタルアーカイブ振興法の実現をめざして
~政策提言、デジタルアーカイブ憲章の先を見すえる~

デジタルアーカイブ憲章(その内容や制定経緯についてはこちら)が示す理念をどう実現していくのか、政策提言での具体案をさらにどう発展させていくのか、デジタルアーカイブ振興法はどのような内実を持つべきでありデジタルアーカイブ社会の実現にどう資するのか、これらの活発な意見交換のためのキーノートとなるセッションを目指す。

開催日時 11月10日(金)15:40~17:40
開催場所 石川県立図書館 研修室 1
運営責任者 福井健策 (事務局:城田晴栄) 法制度部会
プログラム
・司会進行・本セッションの趣旨:城田晴栄(弁理士)
・報告「デジタルアーカイブ振興法について」生貝直人(一橋大学大学院法学研究科教授、法制度部会副部会長)
・ラウンドテーブル「政策提言、デジタルアーカイブ憲章の先を見すえる」
・会場からのご質問、ご意見
登壇(五十音順)
・石川和子((一社)日本動画協会理事長、(一社)アニメツーリズム協会理事長)
・太下義之(文化政策研究者、同志社大学教授)
・緒方靖弘(寺田倉庫(株)アーカイブ事業担当執行役員、デジタルアーカイブ推進コンソーシアム事務局長)
・小山紘一(弁護士、デジタルアーカイブ学会法制度部会)
・福井健策(弁護士、デジタルアーカイブ学会法制度部会長、モデレーター)
・柳与志夫(東京大学特任教授)

MANGA×デジタルアーカイブ
3.「マンガ・アニメ・ゲーム(MANGA)のデジタルアーカイブの可能性」

マンガ・アニメ・ゲームは日本を代表するカルチャーとなったと言われるが、そのアーカ イブの重要性は注目され始めたばかりであり、何をどのように残すかについては、議論の途 中である。またコンピューターの進化によって、この20年ほどで急激にボーンデジタルへ シフトしてきているため、デジタルアーカイブの重要性は高いが利活用の幅が少なく専門家 がいない現状にある。

今回は、金沢市内の谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館において、11月19日まで開催中の「 アニメ背景美術に描かれた都市」の企画者のお一人でもあるアーカイブ研究者の明貫紘子様 と、ゲーム実況のVtuberとしてもご活躍のゾンビ先生こと近畿大学の岡本健准教授、東映ア ニメーションの多くの原画等を収集された渡部英雄氏のコレクションを管理されている新潟 大学から、データベースの制作と管理をされている今井博英准教授をお招きして、デジタル アーカイブの可能性についてとことん語り合っていきたい。

開催日時 11月10日(金)15:40~17:40
開催場所 石川県立図書館 研修室2
運営責任者 山川道子  株式会社プロダクション・アイジー
登壇
明貫紘子 映像ワークショップ合同会社 アーカイブ研究者
岡本健 近畿大学 総合社会学部
今井博英  新潟大学 DX推進本部 情報基盤センター
司会:山川道子 株式会社プロダクション・アイジー
内容
1)趣旨説明(1分)
2)山川よりマンガ・アニメ・ゲームのアーカイブの現状について報告(5分)
3)3名より普段の活動内容のご紹介(10分×3人)
4)「MANGAのデジタルアーカイブの可能性」について  パネルディスカッション(60分)
5)質疑応答(20分程度)

放送アーカイブ×社会的利活用
4. 放送番組アーカイブは誰のもの? -北陸3県、そしてフランスの調査から-

 北陸3県博物館・図書館等のアンケート結果とフランス・INA(国立視聴覚研究所)の取組みの報告を出発点に、日本の放送アーカイブ活用の現状と課題を討論する。研究者や地域施設など放送局以外の人々にアーカイブを提供、公共財として利活用が進むことの社会的効果を共有し、制度と意識の変革につながる提言を目指す。

登壇者は、阪神淡路大震災など災害の取材映像の公開に尽力する木戸崇之氏、NHK金沢が発信するアーカイブ企画「懐かしの映像」を指揮した小原美和氏、放送番組を含む舞台公演映像の保存と公開に取り組む岡室美奈子氏、そして、当学会会長の吉見俊哉氏。放送、そしてアーカイブの未来のための「本音」満載の120分。

開催日時 11月10日(金)15:40~17:40
開催場所 石川県立図書館 食文化体験スペース
運営責任者 大高 崇    NHK放送文化研究所
登壇(五十音順)  (司会進行:大高 崇)
・岡室 美奈子 早稲田大学教授
・小原 美和  NHK視聴者局マーケティングユニット長(前・NHK金沢放送局長)
・木戸 崇之  朝日放送テレビ株式会社 報道局
・吉見 俊哉  國學院大学教授、デジタルアーカイブ学会会長

食 × デジタルアーカイブ × 農
5. 農と食を結ぶデジタルアーカイブ

加賀百万石の城下町・金沢とそれを支える石川県は豊かな自然を背景として四季折々の食材に恵まれており、それらを元にして加賀料理の他に、和菓子や地酒など多様な食文化を創出し、長い年月を経て今日まで継承してきた。
一方、これまで最もデジタル化と縁遠いと思われていた農業・農産品流通・消費において、農業生産に関わる天候、肥料、価格等のデジタル情報の活用、食品流通と在庫管理における情報管理、等のデジタル化の可能性や有効性が見えてきている。
その中で農産物の生産から消費者への提供までをデジタル情報によって一挙に距離を縮めることで農業ビジネスを革新しようとしている若い人もどんどん出てきている。
また、食の方は、グルメ情報はいろいろ出ているが断片的で、せっかくの農業デジタル化の情報が活用できず、また様々な食文化に関する情報も経験知としてあるが、デジタル化して誰でも利用できる状況にない。
そこで、フローで流れていく情報(特色のある農産物やそれを使ったユニークなメニューを使った料理など)をストックとして利用できる農業・食文化デジタルアーカイブの構築は、日々の消費者の利用だけでなく、生産者にもフィードバックでき、子供の食育にも活用することができるのではないかとの認識のもと、本セッションにおいて「農と食を結ぶデジタルアーカイブ」がどのように貢献できるのかを議論する。

開催日時 11月11日(土)10:00~12:00
開催場所 金沢未来のまち創造館(石川県金沢市野町3丁目11-1)多目的室1(50人程度)
運営責任者 太下義之  同志社大学
登壇者(候補)
プレゼンテーター:高野明彦氏(国立情報学研究所 名誉教授・特任研究員)
プレゼンテーター:岡部恵氏(石川県農林水産部ブランド戦略課・課長)
プレゼンテーター:俵谷敦子氏(鶴岡市食文化創造都市推進協議会事業推進員)
コメンテーター:河合亮子氏(北陸農政局次長)
コメンテーター:大石和男氏(文化庁文化財調査官(食文化部門))
コメンテーター:小林茂典氏(石川県立大学 生物資源環境学部食品科学科 教授)
モデレーター:太下義之(文化政策研究者/同志社大学経済学部教授)

工芸技術の継承×デジタルアーカイブ×金沢
6. 工芸技術の継承と普及に活かすデジタル環境とは

日本の伝統的な工芸を支えてきた技術・素材・用具・手技は、社会の大きな変化により、その存続・継承について大きな困難と課題に直面している。本セッションでは、当地金沢で「平成の百工比照」と銘打った伝統工芸技術のアーカイブを継続している金沢市・金沢美術工芸大学の取り組みを中心に、工芸技術の継承と広く世界への認知を図る上で、デジタルアーカイブがどのような形で寄与していけるのか、議論する。

開催日時 11月11日(土)10:00~12:00
開催場所 石川県立美術館 1階講義室
運営責任者 田良島 哲  東京国立博物館
登壇  モデレーター 山崎 剛
金沢美術工芸大学学長:日本工芸史・工芸論
報告1:渋谷 拓  金沢美術工芸大学教授:近現代美術史、博物館学
報告2:日高 真吾  国立民族学博物館教授:保存科学、博物館学
報告3:岡 岩太郎  岡墨光堂代表取締役:装潢文化財修理、日本美術史)
スケジュール (予定)
*はじめに[山崎]趣旨説明と報告者の紹介
*報告1[渋谷]金沢美術工芸大学「平成の百工比照」(工芸の素材・道具・製品、及び技術工程見本・技術記録映像の収集作成事業)と高等教育での活用を促進するための映像について報告
*報告2[日高]国立民族学博物館による「平成の百工比照」データベースの公開を切り口に、工芸技術の継承におけるデジタルアーカイブの役割について、民博のグローバルな視点から報告
*報告3[岡]掛軸作製の裏打ち技術や、美濃紙の抄紙技術を例に、マニュアル化されていない伝統工芸技術を、動作解析により視覚化し、熟練者の持つ技術の暗黙知を形式知化する研究について報告
*質疑・まとめ[山崎]
オプション
金沢美術工芸大学 美術館・図書館展示見学
11月10日(金)(企画セッションの前日):10:00-17:00
美術館・図書館棟「平成の百工比照展示・閲覧コーナー」「アートギャラリー(所蔵品展)」を無料で自由に見学可能です。(事前申込不要、平成の百工比照の閲覧は係員にお声掛けください)
参加方法
*対面開催です。オンライン配信・アーカイブ配信の予定はございません。
*このセッションのみのご参加は、どなたでも無料でご参加いただけます。
*参加を希望される方は、[このリンク先のFacebookイベントページ](https://fb.me/9yKIdzxlr2nTO0)で「参加予定」をクリックし、所定の手続きを行なってください。
*会場の収容人数に限りがあるため、ご参加いただけない場合もございます。あらかじめご了承ください。

産業DAの伝統 × 次世代DX推進 × 新しい産業創造
7. 石川県が拓く新しい情報社会~DAとAIが実現する次世代DX

江戸時代、加賀藩の歴代藩主は徹底した文化政策を採用し、特に五代藩主前田綱紀の時代、金沢は当時としては稀に見る学術美術都市として繁栄しました。幕府の政治顧問であった新井白石は、これを見て「加賀は天下の書府なり」という言葉を残しています。また、美術工芸全般を対象に全国各地から二千点以上に及ぶ膨大な資料を収集、第一級の工芸情報をデータベースとして蓄積した工芸標本の集大成「百工比照」を構築し、加えて諸国の名工を招き、工芸品の製作を行なう製作工房「御細工所」を金沢城内に設けて実際に技術の導入と地元へ定着させるなど、後の石川県地域の産業育成に大きく貢献した歴史を持っています。

石川県は、平成8年から27年の20年間「石川新情報書府」(以下、書府)という革新的なデジタルアーカイブ事業を継続し、伝統工芸の魅力発信と地元企業のIT化の促進をダブルで追求してきました。書府の構想と理念には、「情報箱物主義を脱却した情報通信政策」というコンセプトのもと、当時は斬新な概念であった「デジタルアーカイブ」の推進が掲げられていました。今なお、情報通信基盤やインフラ整備が主軸である地方自治体の情報通信政策の中で、石川県が目指してきた地域文化アーカイブ構築の高い先見性は、国際的な文化経済政策の大きな潮流を先取りしてきたと言うことができます。

この企画セッションの前半においては、まず書府の全体像と具体的な制作コンテンツ、そしてその経済波及効果について総括的に振り返りながら、書府が到達した成果とその意義について改めて確認していきます。そして後半においては、石川県の次世代情報政策(DX)とその目指す未来についてプレゼンテーションを受けつつ、地域アーカイブ(DA)を推進する産業界の取組みと、そこで蓄積された良質なDAが驚異的な進化を遂げている生成型人工知能(AI)との掛け算で拓かれるであろう、次世代DX推進の可能性についてディスカッションしていきます。

開催日時 11月11日(土)10:00~12:00
開催場所 石川県立音楽堂交流ホール
運営責任者 細井浩一  立命館大学、ほか
登壇者
・Part 1「石川新情報書府の歴史と到達点」
細井浩一 立命館大学 映像学部 教授 【モデレーター】
土田一登 高桑美術印刷株式会社 プロヂューサー
宮田悠史 立命館大学大学院 文学研究科 リサーチアシスタント
・Part 2「石川県が目指す次世代DXに貢献するDAとAI活用」
西垣淳子 石川県副知事
細井浩一 立命館大学 映像学部 教授 【モデレーター】
室田秀樹 大日本印刷株式会社 マーケティング本部 文化事業ユニット長
植山秀治 TOPPAN株式会社 文化事業推進本部 開発部長
長谷部旭陽 株式会社NTTデータ 社会基盤ソリューション本部 営業企画課長
緒方靖弘 寺田倉庫株式会社 アーカイブ事業担当 執行役員

加賀市, 南砺市, 金沢市 × 地域アーカイブの意義と課題×地域振興
8. 地域のアーカイブの構築と活用、人材育成
〜地域のアーカイブが、デジタルアーカイブを進めるにあたって〜

本セッションにおいては北陸各地域のデジタルアーカイブの取り組みを実践者から直に報告いただき、地域アーカイブの困難、課題は何か、どうすると利用されるものになるか、地域アーカイブを育てていくには何をすることが解決策になるかを考える。

開催日時 11月11日(土)10:00~12:00
開催場所 金沢未来のまち創造館多目的室2
運営責任者 宮本聖二  立教大学大学院
登壇者
司会進行:宮本聖二
プレゼンテーター:
・ 明貫紘子 映像ワークショップ・加賀市
・ 宮下 裕樹 金沢市文化政策課
・ 松田 俊司 金沢未来のまち創造館館長(兼)金沢市情報統括責任者、金沢市デジタルミュージアム運営委員会委員
・ 山越 茉侑 富山県南砺市文化芸術アーカイブズ
・ 堀井 洋 合同会社AMANE 代表
コメンテーター:
・ 水島 久光 東海大学教授
・ 前川 道博 長野大学教授
・ 井上 透 岐阜女子大学教授