企画セッション

第9回研究大会企画セッション

今年度は、2024年11月2日 (土)東京大学本郷キャンパス法科大学院 総合教育棟にて、7つの企画セッションが開催されます。

セッションテーマは、映像コンテンツのDA(産業とデータ・コンテンツ部会)、防災DA(分散型防災データ利活用研究会)、DAテック、DAの教育活用、地域アーカイブ(地域アーカイブ部会)、政策提言(法制度部会)、長期保存となっております。

企画セッション1 

テーマ:映像コンテンツのデジタルアーカイブ 現在地と課題(仮)

時間10:00-11:30
会場101
協力者産業とデータ・コンテンツ部会
運営責任者柴野京子(上智大学)/緒方靖弘(寺田倉庫)
登壇者・日本番組制作者連盟 共同テレビジョン松村取締役(日本番組制作者連盟:メディアセンター長)
・日本動画協会 日本アニメーション石川社長(日本動画協会:理事長)
・日本ケーブルテレビ連盟 グーライト丸山社長(ケーブルテレビ連盟:副会長)
・モデレーター:柴野教授(上智大学/DA学会理事・産業とデータコンテンツ部会長)
・導入・主旨説明:緒方靖弘(寺田倉庫/同副部会長/DAPCON事務局長)
概要2019年7月15日、ユネスコは、国際音声・視聴覚アーカイブ協会(IASA)と共同で、“Magnetic Tape Alert Project”を開始。世界的に多くの映像コンテンツが収録されている磁気テープメディアのデジタル化推進の機運が高まっている。しかしながら映像データは容量の大きいことで、特殊なDA手法が必要であり、DAコストが高額になるために、DA推進に多くの課題を抱えている。そこで映像コンテンツを多くもつ業界の団体の代表者から、課題や最新の取組みを意見交換してもらう。
資料リンク
企画セッション2 

テーマ:防災DA「防災に活かすための生成AI時代のDA/DDをみんなで考える」

時間10:00-11:30
会場102
協力者分散型防災データ利活用研究会(代表:目黒公郎)
運営責任者三浦伸也(国立研究開発法人 防災科学技術研究所)
登壇者・趣旨説明:三浦伸也(防災科学技術研究所 客員研究員)
・モデレーター:瀧田佐登子(WebDINO 代表理事)
・報告
柴山明寛(東北大学災害科学国際研究所 准教授)
髙木悟(KDDI技術開発本部)
・ラウンドテーブル(報告者+登壇者+会場参加者)
-目黒公郎(東京大学大学院情報学環長・教授) 
-生貝直人(一橋大学大学院法学研究科 教授)
-福井健策(骨董通り法律事務所代表 弁護士)
-柴田一雄(川﨑市 危機管理監)
概要災害を記録するデジタルアーカイブ(以後、DA)が本格的に始まった東日本大震災から13年が経過し、震災の記憶が薄れていくなかでアーカイブの重要性が改めて指摘されている。この間、災害・防災DAが直面した権利処理問題、そしてそれに対処するためのガイドライン等については本学会においても広く議論され、公開されてきた。
東日本大震災のDAでは、その活用が課題となり、学校や地域での防災教育や伝承施設での教訓に活用されるようになっているが、近年竣工した東日本大震災の伝承施設での展示では、貴重な写真などの展示において、50年以上前のチリ地震津波やその当時の祭りの全ての写真に目線(マスキング)が入れられ、そこにいる人々の表情や様子がわからないなど、コンテンツの活用の仕方に新たな課題が生じているものもみられる。本学会の「肖像権ガイドライン」はDA公開にあたっての参考指標として活用されていると考えるが、現実の展示では観覧者からのクレームなどを過度に恐れ、伝承施設を運営する公的機関では著しく安全な展示(運用)となっていると考えられる。この10年程でDAは着実に進化し、コンテンツは整いつつあるが、コンテンツのもつメッセージが十分に伝わらない展示もみられる。また、能登半島地震では東日本大震災のDAを使った津波のフェーク情報が発信されるなどの弊害も生んでいる。
さらに、近年の生成AIなどの技術の急速な進化が著作権等に問題を投げかけており、技術に法制度が追いつかないという問題が生じている。技術的には可能であるが、法制度が追いつかず、公共性の高い防災情報(防災デジタルデータ:防災DD)を活用できないという状況も生まれている。
このような防災DA/DDの進化とそれを取り巻く状況を専門家からの報告をふまえ、防災に活かすために必要な今後の法制度やその運用について、研究者、専門家、実務家、現場を交えた議論をおこない、参加者とともに考えていきたい。
資料リンク
企画セッション3 

テーマ:DAテック「多様な技術からDAを再考する」(仮)

時間10:00-11:30
会場201
協力者オリジナル(技術)
運営責任者原田真喜子(東京大学) / 小松尚平(東京大学)
登壇者・司会:原田真喜子(東京大学)
・モデレータ:大井将生(人間文化研究機構 / 国立歴史民俗博物館)
・小川潤(国立情報学研究所 )
・嘉村哲郎(東京藝術大学)
・金甫榮(東京大学)
・小松尚平(東京大学)
・中村覚(東京大学史料編纂所)
概要AIをはじめとする技術が目まぐるしく進歩している。DA活動は、データ化・整理/記述・保存・利用などさまざまな取り組みを内包する。どのような技術をどのような場面で適切に用いるかに関する検討と実践は多様であるが、その成果は暗黙知化や組織に内在していることが多いため、最新の動向や知見を把握したり学ぶことが難しい。
そこで本セッションでは、データ化・整理/記述・保存・利用などの各場面において、「DAテック」に関する知見をもとに第一線で活躍する若手・中堅研究者を招き、議論を行う。具体的には、DAに関連する多様な技術を概観しつつ、現在の課題や最新技術の活用可能性、技術的側面からみるDAの展望などについて議論することで、「多様なテックからDAを再考」することを目指す。
資料リンク
企画セッション4

テーマ:デジタルアーカイブの教育活用 ; AI時代の学校教育とDA

時間16:00~17:30
会場101
協力者S×UKILAM連携
運営責任者大井 将生(人間文化研究機構 / 国立歴史民俗博物館)
登壇者(敬称略, 名前順)
・伊勢本 惇示(文部科学省  初等中等教育局 学校デジタル化プロジェクトチーム 学びの先端技術活用推進室)
・司会:大井 将生(人間文化研究機構/国立歴史民俗博物館)
・勝亦 あき子(東京大学教育学部附属中等教育学校)
・武田 剛朗(大網白里市教育委員会)
・恒川 徹(東京学芸大学附属 竹早小学校)
・宮澤 優子(伊勢市教育委員会)
・宮本 淳子(東京学芸大学)
概要 デジタルアーカイブ(DA)は構築と活用の循環の輪を形成することが肝要である。とりわけ「教育」活用に関しては、各地域において未来を担う子どもたちを育む知の基盤としてDAの重要性が認識され始めている。学校教育の現場でも、情報化の進展やパンデミックを背景として、GIGAスクール構想による1人1台端末の実現など、ハード面における教育のDX化が進展している。さらに、AIの台頭やフェイクニュースの蔓延など、情報の信頼性や資料への批判的思考力を育む必要性が高まっている。こうした社会的な背景や課題を鑑みると、今後ますますDAの教育活用への期待が高まっていくことが予想される。 一方で、教育現場におけるDAの普及や活用方法の検討・課題の共有については、未だ十分に為されているとは言い難い。そこで本セッションでは、「DAと教育」に関する多様なアクター、専門家が一堂に会し、それぞれの立場からDAの教育活用の現在と未来について情報を共有し、議論する場を創出する。本学会の研究大会において「教育」にフォーカスするセッションの開催は初となる試みであり、当該分野の学術的な発展及び新しい教育の構築に寄与する一歩になると考えられる。
資料リンク(参考)S×UKILAM連携:教材アーカイブ, https://adeac.jp/adeac-lab/top/SxUKILAM/index.html

企画セッション5

テーマ:「デジタルアーカイブの裾野:地域アーカイブの現在」

時間16:00~17:30
会場102
協力者地域アーカイブ部会/ジャパンサーチ担当者(予定)
運営責任者前川道博(長野大学)
登壇者・前川道博(長野大学、地域アーカイブ部会長)ファシリテーター・デジタルアーカイブ部会(8月・9月)
・登壇者(4名を予定)
・ジャパンサーチ担当者(今後参加要請)
概要自律分散型社会の地域に根ざす地域アーカイブは、わが国のデジタルアーカイブを支える裾野(ボトム)であり、かつ、それぞれの地域がデジタルアーカイブを構築・活用する最もアクティブな実践フィールドである。地域アーカイブの取り組みは主体も内容も課題も多様である上、それぞれが各地に分散した小さな存在であるため、これまでデジタルアーカイブ全体の視座からは見えにくい側面があった。
本セッションでは、地域アーカイブ部会で提起されつつある地域アーカイブの課題、学術研究やナショナルアーカイブ(トップ)からは見えにくい裾野の状況や課題を可視化して、地域アーカイブが今度どのように展開していけるかをデジタルアーカイブの課題として共有する場としたい。
資料リンク
企画セッション6

テーマ:デジタルアーカイブ学会政策提言・大アップデート会議 ~デジタルアーカイブ振興策は どこまで進み、次の2年で何をめざすのか~

時間16:00~17:30
会場201
協力者法制度部会
運営責任者佐々木広人(専修大学)
登壇者調整中
概要デジタルアーカイブ学会では、「デジタルアーカイブ憲章」の策定・公表と軌を一にして、2022年12月、デジタルアーカイブ振興法制を含む「デジタル温故知新社会に向けた政策提言 2022年」を策定、政府知財戦略本部や自民党各委員会・議員勉強会での意見表明など、憲章の理念を現実の政策に反映させるための幅広い提言活動を行ってきました。この間、わが国では博物館法が改正されデジタルアーカイブ条項が導入され、メディア芸術など新たなジャンルのデジタルアーカイブの議論が進展し、ジャパンサーチの拡充が進み、国会図書館で次期の大規模デジタル化がはじまるなど、デジタルアーカイブを取り巻く環境は大きく歩みを進めました。2024年5月には、自民党知財調査会の提言にて初めて、デジタルアーカイブ振興法制の早期成立が明記されました。他方、この間一向に進展のない分野も多いなど目指すデジタルアーカイブ社会の峰は遠く、我々は「永遠のβ版」ならぬ「永遠の1合目」にいるとの焦燥も、また感じるところです。本セッションでは、2年ごととされる次期政策提言の策定時期を前に、各界を代表する論者を招いて政策提言をオープンな場で徹底議論し、そのアップデートをはかって次なる政府提言に向けた準備を進めます。
資料リンク
企画セッション7

テーマ:未来へつなぐデジタルアーカイブ:運用管理から考える長期保存と活用

時間16:00~17:30
会場301
協力者オリジナル(長期保存)
運営責任者嘉村哲郎(東京藝術大学) / 逢坂裕紀子(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター) / 中村覚(東京大学)
登壇者・「国立国会図書館におけるデジタル資料の長期保存に関する取組」 国立国会図書館より登壇予定
・「映像ファイルのデジタル保存―国立映画アーカイブの事例報告を中心に―」 調整中
・「持続可能な情報基盤としての東京大学学術資産等アーカイブズプラットフォーム」 田口忠祐
・「小規模組織のデジタル資料保存と活用—情報システムの観点から」嘉村哲郎
概要論集『デジタルアーカイブ・ベーシックス』の第3期第2巻「社会基盤としてのデジタルアーカイブ・コンテンツの保存」が刊行予定にある。2020年以降、文化財を中心としたわが国のデジタルアーカイブは、図書館系分野を中心にジャパンサーチによる横断的な検索プラットフォームが定着しつつある。これらのデータ公開に関わる技術や方法論について活発に議論されている一方、デジタルデータを保存するための情報システム基盤や運用管理の観点で語られることは少ない傾向がある。 本企画セッションでは、デジタルアーカイブを社会基盤として実装を推進していくために、データの保存と運用管理からなる基盤要素の現状を把握し、とりわけ、これからの世代のために必要不可欠となるデジタルアーカイブの「長期保存と活用」について、DAを支える情報システム基盤や運用管理の現場から長期保存と活用を考える。
資料リンク


企画セッション概要

・研究大会開催時(11月2日)の対面セッション

日程:11月2日
時間:90分
形式:会場にて対面

・サテライト企画セッション

日程:研究大会期間 (11/2~3) を外した近傍
時間:90分~120分(目安)
形式:オンライン